住み替えは、現在お住まいのご自宅の売却と、新しい住まいの購入という取引を同時に、あるいは続けて行うことになります。そのため資金や手続きの段取り、住み替えのタイミングなど、事前にしっかり計画を立てて進めることがとても重要です。
売却を先にするのか、購入を先にするのか、住み替え計画はそれぞれの状況や事情によっても、段取りやベターな方法が異なります。
今回は自宅の売却を先に行う「売り先行型」、新しい住まいの購入を先に行う「買い先行型」の2タイプについて確認してみましょう。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ご自分の状況や事情に合うのはどちらなのか考える際の参考にしてください。
売り先行型のメリット・デメリット
「売り先行」とは、現在の住まいを先に売却するケースで、「今の住まいを売って住宅ローンの残債を返済しないと新たな住宅ローンは厳しい」「時間がかかってもできるだけ高い価格で今の住まいを売却したい」といった場合は、売り先行にされる方が多いです。
○売り先行型のメリット
- 今の住まいの売却期間にゆとりがあるため、焦らず納得のいく売却活動ができる
- 売却金額が確定するため、新居購入の資金計画が立てやすい
×売り先行型のデメリット
- 引き渡しまでに新居が見つからない場合、仮住まいの賃料や引越し費用、手間がかかる
- 住みながら売却活動を行うので、内覧などの対応をする必要がある
理想を言えば、売却と購入の決済を同時あるいはすぐ後に行い、引越しも1度で済ませられるのがベストです。しかし、そのためには売却の売買契約から引き渡しまでの間に、購入物件の売買契約と住宅ローンの申込、引き渡しもする必要があります。通常、売買契約から引き渡しまでは1ヶ月ほどなので、この場合、購入期間がとても短くなってしまいます。その限られた期間内に希望に合う物件が見つかればよいのですが、条件にあう物件が必ず見つかる保証はありません。
引越しまで1度で済ませられる住み替えは難しいものなので、希望に合う物件が期間内に見つからない場合は、「一時、仮住まいをする」という可能性も考え、ゆとりを持って進めていくことが大切だと思います。焦るあまり、妥協して気に入らない物件を買って、せっかくの住み替えが台無しにならないようにしてください。
買い先行型のメリット・デメリット
「買い先行」とは、住み替え先の新しい物件を先に購入するケースで、「気に入る物件が見つかれば住み替えたい」「住宅ローンの支払いがない」といった場合におすすめです。
○買い先行型のメリット
- 条件に合う物件をじっくり時間をかけて探すことができる
- 新居に引っ越してから、今の住まいの引き渡しができるので仮住まいが不要
×買い先行型のデメリット
- 新居の購入資金が先に出ていくため、資金面での余裕が必要
- 売却金額が確定していないので、想定を下回った場合も考えたゆとりある資金計画が必要
資金面に余裕がある場合、時間的な制約がなく、仮住まいの心配もない買い先行はメリットが大きいと言えます。また新居に引越しを済ませてから売りに出すため、空き物件で売却しやすく、住みながら内覧対応をするといったストレスがない点もメリットと言えます。
ただ、今の住まいに住宅ローンが残っていて、新居の購入でも住宅ローンを組む場合の買い先行は、今の住まいが売却できるまでの間、二重の支払いをすることになります。(両方マンションの場合は管理手数料や修繕積立金もダブルで発生します)売却までに想定以上の期間がかかってしまう場合もあるので注意してください。こうした際、「つなぎ融資」を利用する方法もありますが、利子が高い上、条件面のリスクもあるため、慎重に判断する必要がでてきます。まずは信頼できる不動産会社に相談することをおすすめします。
まとめ
住み替えの2タイプ「売り先行型」「買い先行型」にはそれぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらがいいか、得かということではなく、住み替えの目的や売却・購入のタイミング、資金や住宅ローンのなどご自身の状況に合わせて、どちらの段取りで進めるのが最適か、選択することがまずは大切だと思います。
自分だけで決めるのは難しい、アドバイスが欲しいといった場合は、どうぞ当社まで遠慮なくご相談くださいね。大切なご家族のためにも、一緒に住み替えを成功させましょう!